2021年(令和3年)4月グリーフワークかがわ
ニュースレター第204号(HTML版)

2021年(令和3年)5月7日 グリーフワークかがわ広報部

~会員からのメッセージ~


「グリーフワークと出会ったきっかけ」


今回グリーフカウンセラーの認定をいただきました、小栗洋子と申します。みなさまが積み重ねてこられた活動に参加させていただけること、とてもありがたく思います。どうぞよろしくお願いいたします。

私がグリーフワークと出会ったのは、祖母が亡くなったことがきっかけでした。病床に伏していた祖母になるべく会おうと帰省してはいたものの、「もっとなにかできたんじゃないか」「おばあちゃんは幸せだったのかな」と後悔が尽きませんでした。また、月日が経つほど祖母に聞きたいことが出てきて、ずっとそばで見守ってくれていた祖母のことを意外と知らない事実に驚愕しました。

そんなとき、インターネットで検索して、グリーフという言葉に出会いました。当時は具体的な行動にうつすことはありませんでしたが、いつかは関わりたいと思っていました。香川に転勤したタイミングでグリーフワークかがわの存在を知り、講座に参加させていただきました。

講座で印象的だったのは、ロールプレイです。毎回緊張していましたが、ご一緒させていただいたみなさまから、「なるほど、こういう質問の仕方もあるんだ」「こういう感じ方もあるんだな」と学ばせていただきました。講師の方から「三者三様だったね」というお言葉をいただき、カウンセリングに正解はないことも大きな気づきとなりました。人によっても、タイミングによっても、必要とするグリーフワークは異なると思うので、いろんな方のお力が集まるこの場を、とても貴重に感じます。

祖母を失った悲しみはありますが、一方で、だからこそこうやってグリーフワークに出会えましたし、祖母からもらったものもたくさんあります。「洋子がいるから大丈夫だよ」と言ってくれた瞬間を、今でもはっきりと覚えています。集まってくださるみなさまと、どんな思いも一緒に共有できるような活動をしていきたいと願っています。

未熟者ですが、講座はもちろん会議においても、諸先輩方から多くのことを学ばせていただきたく存じます。どうぞよろしくお願いいたします。

小栗洋子




「グリーフワークかがわとの出会い」


はじめまして。今年度グリーフカウンセラー認定を受けた三嶋と申します。

私がグリーフワークかがわを知ったのは7年前、実母を亡くした時でした。私は当時26歳、兄弟は居らず母子家庭で育ったため父親も居ませんでした。告別式に駆け付けてくれた母の友人が、「あんた、一人になってしまったじゃない。可哀想に。」と抱きしめてくれましたが、私は一人なのかと思ったことをずっと覚えています。

そして、当時私は実家を出ていたので母親のみが県営住宅に住んでいたのですが、母親が亡くなると同時に退去とのことで、葬儀が終わった後、退去のための片付けが始まりました。大量の遺品を持って行ける場もなく、トラックへ次々と母親の遺品を捨てました。大好きだった母親も、母親と過ごしてきた実家も無くなってしまいました。心が裂かれそうな日々でした。

そんな時、職場の上司がグリーフワークかがわを紹介してくれました。グループミーティングに参加させてもらい、受付で認定カウンセラーである村上美智子さんが、「お辛かったね。よく、参加してくださいました。」と優しい眼差しで声をかけてくれました。

グループミーティングでは、私と同じように、母親を亡くされた女性がその方のお父さんと一緒に参加されていました。その方は毎日ずっと泣いている、辛くて辛くてごはんも食べられないし、どこにも出かけたくない。今日はお父さんに連れられてここに来た。このままではいけないと自分でもわかっている。ちょっとでも自分を変えたい。と泣きながらおっしゃってました。同じ空間でその話を聞かせてもらい、大切な人を失って辛いのはみんな同じ、毎日泣いているのはおかしい事ではない。そして私も含めて、その人なりに前を向こうと頑張っているんだ。と感じて、すっと心が楽になったことを覚えています。

昨年、母の7回忌を迎えました。未だに「母さん、会いたいよ。」とお仏壇の前でほろり涙を流す時もありますが、毎日にこにこと生活を送れています。そして、今度は私がサポートする立場になりたいと思いました。グリーフカウンセラー認定試験の会場に、村上さんが居られ、私が7年前グリーフワークのグループミーティングに参加したことを覚えていてくれました。あの時の優しい眼差しを思い出し、ほっと心が暖かくなりました。グリーフワークかがわ、そしてそのスタッフの方々は、私が今までの人生の中で一番辛くしんどかった日々を乗り越えさせてくれた大切な存在です。次は私もその一員として活動させてもらうことになりました。毎日、辛くて泣いている、どうしようもない気持ちで過ごしているなど、大切な人を失って辛い状況に居る方の心が少しでも晴れるよう、サポートしていきたいと思います。よろしくお願いします。

三嶋麻実





【レポート】技術援助事業について


2021年3月7日(日)に愛媛県臨床心理士会会員を対象とした研修会に講師の1人として出席してきました。内容については前回の報告に詳細があるので,今回は一会員としてどのように講師派遣が行われるかについてお伝えできればと思います。

先ず,技術援助事業としての講師派遣ですが,簡単に言うと外部の団体等にGWKから誰かが出向いて行ってお話しをする,という事です。会議室で大人数を前に講義のような形(座学)で話す事もありますし,数人のグループの中でお話しをするという事もあります。対象者は専門職の人たちや,市民グループ,ボランティア活動を希望している人達など様々です。内容についても相手方から「グリーフワークについてお話しください」や「GWKの活動について話してください」「自殺予防について,をテーマに1時間程度お願いします」など様々な要望が提示されます。今回の研修は対象者が愛媛県臨床心理士会の会員及び一般という非常に広い範囲でまた人数も約50名と大きなものでした。

派遣が決定すると殆どの場合は研修(講義)内容についての事前の打ち合わせが講師間であります。私は今まで殆どがアシスタントとして同行させて頂いていたので,打ち合わせ(講師会と呼びます)では一歩引いた所で参加していましたが,本会では講師での参加でしたので講師会の時点からかなり緊張するものとなりました。内容によって講師会の回数も色々ですが,今回の研修は5時間程もある,恐らく今までで一番長い研修を3名の講師で担当する大きなものでしたので,講師会も複数回に渡り,相手方との相談の上で方向が毎回微調整されたり,コロナ禍のせいで一時は開催も危ぶまれたりと大変準備に時間がかかりました。

様々な準備の後,会場へは理事長と電車で向いました。道中の電車の中では今回の研修の話は勿論の事,日常生活の事,GWKの事など普段ではなかなか出来ない話が出来たのがとても新鮮で,松山までの2時間半ほどがあっという間でした。帰りも勿論一緒でしたが,帰りにはGWKの創設時のお話し(20年も前の事です)を伺う事が出来,大きな思いを今の現役の会員である私たちは引き継いでいるのだと強く感じました。今回の研修では「実体験を経験者の言葉で聞けてよかった」という感想も頂いておりますが,まさに私が電車の中で理事長のお話しを聞いて感じたのはこのことです。私たちは後から入会して,ある程度は法人の成り立ちを見知ってはいますが,やはりその時代を体験された方から直接聞くという事は何よりも貴重な事だと実感しました。それを語り継いでいく事も非常に大切な事なので,このような機会を会員がこれから持てるようになればと強く思います。

講師,アシスタント講師として出席する事は,最初は非常に敷居の高い事だと思いますし、なかなか最初の一歩が踏み出せない会員もいらっしゃると思います。ですが,先ずはアシスタント講師で現場へ行く事が非常に大きな学びとなりますので,是非ともまだ技術援助事業に参加されてない会員の皆様には積極的に参加してほしいと思います。アシスタント講師として同行して,記録を取るだけでもそれは貴重な学びとなりますし,(今は少し難しいですが)ロールプレイの一員になる事も出来ます。GWKの会員である事で,研修や勉強会への参加が勿論可能ですが,それプラス,技術援助事業にも参加する事で自己研鑽の場はさらに広がります。

GWKの会員となった理由は皆さん様々だと思います。私は自分のグリーフケアがきっかけでした(同じような方も多いと思います)。他の相談事業での活動も勿論自分のグリーフケアに繋がっていますが,アシスタント講師・講師として参加する事でさらにグリーフワーク,ケアについて学ぶ事が出来,引いては自分のワークに繋がっているのだと強く感じます。

私は医療従事者でもなく,専門職でもありませんが,このような私でも右も左も分からない時から色々と参加出来ていますので,今から何かやりたいと感じている方は是非とも最初の一歩を踏み出してほしいと思います。分からない事は理事や他の会員に何でも相談してください。

取り留めのない話になりましたが,技術援助がどのような形なのか少しでもお伝えできていれば幸いです。

ローマ真由子




◆2021年4月11日 第158回理事会◆


《審議事項》

第1号議案

2020年度事業報告及び収支決算に関する事項

2020年度事業報告案及び収支決算案について確認し加除修正を行うことで了承された。決算案については4月末確定後に5月監査予定となっている。

第2号議案

2021年度事業計画案と収支予算案に関する事項

事業計画において役員研修は管理の事業とすること,予算案については備品としてプリンターと鍵付きキャビネットを購入予定とし,2020年度テーマ募金の集計作業後,5月の理事会で予算案を決定することで了承された。

第3号議案

定款変更に関する事項

第1章第2条の事務局住所と第6章第36条の書面表決について変更を行う予定で文案の修正を行い承認された。

第4号議案

役員改選に関する事項

定款第15条に従い第17回社員総会において役員改選を議題として挙げるため,自薦他薦のための文書案が示された。文書案は再度5月の理事会に案を示す予定として継続審議として承認された。監事については,理事長が5月の理事会で推薦者を報告できるようにする。総会の案内発送と同時に役員改選のお知らせを郵送する。

第5号議案

NPO法人取得10周年記念事業に関する事項

第14回実行委員会について夛田理事より報告され,日程は2021年10月17日(日),会場はサンポート高松61会議室を予約済である。次回第15回実行委員会は5月7日(金)19時からの予定である。

第6号議案

2021年度認定カウンセラー研修に関する事項

年間計画案について審議され,名称については「実務者研修」から「認定カウンセラー研修」と変更することで了承され,次回理事会にて実施要領が提出予定である。

第7号議案

資格認定委員会運営マニュアルの策定に関する事項

花岡理事より,運営マニュアルの作成に際して,現行の資格認定規則を見直し,改訂することが提案され,認定更新を5年ごととし,認定カウンセラー研修を中心としたポイント制とすることで了承された。規則は今後整えていくが,変更の骨子については認定カウンセラーに説明をしていくことで了承された。



◆2021年4月18日 第101回認定カウンセラー会議◆


  1. 3月の事業報告
    相談事業,技術援助事業,普及啓発事業,人材育成事業について報告を行い,今後の報告の方法に関する工夫点について話し合った。
  2. 認定カウンセラー研修について
    認定カウンセラー会議と研修のあり方について討論を行った。
  3. 勉強会

    【勉強会】

    文献:「喪失と悲嘆のためのガイドブック~暮らしの中のグリーフワーク~」

    (2020 グリーフワークかがわ)https://www.griefwork.jp/main/guidebook.html

    • II グリーフワークについて  17~21ページ 担当:青井
      参考資料の配布と,悲嘆のプロセス12段階を唱えたアルフォンス・デーケン氏の写真が掲載された新聞の回覧があった(2020.9.13)。参考資料とガイドブックを示しながら具体事例を上げての内容説明があり,質疑や意見交換があった。