2021年(令和3年)3月グリーフワークかがわ
ニュースレター第203号(HTML版)

2021年(令和3年)3月31日 グリーフワークかがわ広報部

~グリーフワーク・デー街頭キャンペーン~


3月14日、JR高松駅前で街頭キャンペーンを行いました。

3月11日~16日は子どものグリーフワーク週間です。子どものグリーフワーク週間は、子ども時代に死別を体験することが子どもの心に影響を与えることについて理解を深める機会として設けています。

子どもたちにとって昨年はCOVID-19の影響で学校生活もこれまで通り行うことができず、行事などの中止、人との距離を保ちながらの生活を余儀なくされました。大人たちですら先が見えない不安の中にいるにもかかわらず、子どもたちはソーシャルディスタンスを保つ工夫をこらしながら運動会を行うといった姿もありました。家族をはじめ学校の先生といった周囲の人々のサポートがあったからこそ、不安や恐怖といった感情に埋もれることなく一つ一つ乗り越えようとできたのだと思います。

子どもたちは言葉での表現が十分できない段階であるため、自分たちの感情を言葉にできず、気付かれないこともあります。しかし、生活の中にちょっとしたサインや変化はあります。そうした変化があることを知ってもらい、より多くの人に気づいてもらえるように、今後も街頭キャンペーンを続けていきたいと思います。

梶浦麻琴




街頭キャンペーン参加!


3 月 14 日(日)、グリーフワークかがわの会員となって初めて、グリーフワークデーのイベントに参加してきました。子どものグリーフワーク週間(3/11~3/16)のチラシ配りです。

寒いかと着込んで出かけたのですが、お天気も良くて、少し動けば汗が出るくらいの陽気です。

あっという間の2時間でした。「参加します!」と手をあげたのですが、具体的にはどんな事をするのか分らなくてワクワクしながら出かけました。遅刻魔の私ですが、当日は早めに出かけました。駐輪場や駐車場の様子が分らなかったのでコトデンを利用しました。30 分も早く着いたのですが、既に高松駅前広場に理事長さんと花岡先生の姿が見えました。

午前 11 時。事前に皆さんが用意して下さった、紫のリボン入りのチラシセットを配る作業がスタートしました。コロナ対策の為、全員がビニールの手袋を装着します。もちろんマスクも欠かせません。街頭で活動する際は、何かと「制約」があるそうです。

テーブルは置けません。駅の構内には入ってはいけません。のぼりを下に置いてはいけません。のぼりを手に持つのは大丈夫です。私は、募金箱を持ちながらチラシを配るのは難しかったので、募金箱は足元に置いていました。「やってみて初めて、こうしたら良かった( ;∀;)ってのが分るんですよ。」とグリーフワークかがわの先輩会員さんが耳打ちしてくれました。

参加者は 7 名。高松駅前と、サンポート方面マルシェにつながる横断歩道前とに分かれてチラシを配りました。

「子どものグリーワーク活動にご協力ください!」「バイオレットリボン活動にご協力ください!」「紫リボン活動にご協力ください。」など、声をかけながらチラシを差し出しますが、なかなか受けっとってもらません。難しいなぁと思っていたら、会員さんのお子さん(6 歳)が持っていくと、スルッと受け取ってくれました!(^^)!

同じ頃、駅前で配っていた花岡先生が、私達のいる横断歩道の方へと移動してこられ、絶妙のタイミングでチラシをどんどん渡し始めました。花岡先生は、声をかけながら歩く方のちょっと前の下方向からチラシを差し出しています。私も真似してみました。

チラシを受け取ってくれるようになると、活気づいてきました。

途中で会員の知り合いのご一家もチラシ配りに参加・ご協力して下さり、子どもが 2 人になりました。大人たちは「あっ!向こうからお姉ちゃん来たよ!」「おじいちゃんとおばあちゃんが来たよ!」「自転車の人は危ないから気を付けて」と声をかけると、チラシを持って子ども達が走って行きます。チラシを手にした方から質問が来れば、子どもの代わりに大人が応えたりとチームワークが出来上がりました。エンジン全開な感じで、準備したチラシは予定の時間の 30 分前に無くなってしましました。チラシが無くなった後は一か所に集まって募金を呼びかけました。

お2人ほど「お金どこに入れれば良いの?」ってお金を募金箱に入れてっ下さったり「募金活動知ってたら友達も誘って募金したのに」とか言って下さる方もいらっしゃいました。有難いなぁと思いました。

広く活動を知ってもらい、悲しい思いをしている方の助けになればなと思います。

次回はメディアの力を借りるのも、活動の後押しになるかも?と感じました。

「いろんな年代の人が居ることで、安心感が生まれてチラシを受け取ってくれる by 花岡先生」だそうです。是非次回はご一緒しましょう!私が気づかなかった事も他の方が気づくかも?ですし(^^)/

林 和代




グリーフワークかがわ公開セミナーを終えて


本年度の公開セミナーは、「コロナ禍における心の健康に関する特集プログラム~正しい情報で安心した生活を取り戻す~」と題して全2回の開催となりました。第2回のテーマを「子どもと喪失―絵本を使って―」と題して、ローマ真由子副理事長とともに講師を務めさせていただきました。


当日のプログラムは、「喪失とグリーフワーク」、「子どもが悲嘆を経験するとき」、「子どもの悲しみのサイン」など養成講座でも扱う内容について提示するとともに、「緊急時のメンタルヘルスと心理社会的支援に関する機関間常設委員会レファレンス・グループ(IASC MHPSS RG)」により制作された「みんながヒーロー」を朗読しつつ意見交換を行いました。

「みんながヒーロー」は新型コロナウイルス感染症の大流行に世界中の子どもたちがどのように対処しているのか、子どもたちが自分の気持ちや感情をコントロールするのに手助けになる内容が掲載されています。主人公サラは、自分の心の中から出現したドラゴンのアリオと世界をめぐる旅の中で自分たち子どもの持っている力や強さに気づきます。具体的にどのように対処しているか、ということだけでなく子どもたちの素朴な疑問や心理的な変化、不安にも触れています。

会場では、絵本をもとに子どもの喪失という視点で新型コロナウイルス感染症の流行拡大について考えました。当日は、ローマ副理事長や参加者フロアとのやり取りの中でまた、新たな視点も生まれました。私としては、絵本の中に出てきた「自分が安心できる場しょ」が子どもたちには最も大切で、強さを発揮できる源ではないかと思っています。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で悲しい出来事に直面したとある子どもさんが、涙を流したことを「爆弾が大きくなる前に爆発させたんだ」と、一生懸命教えてくれたことがありました。この子は安心して感情を爆発させる場所を持っているのだな、と感じたことを覚えています。

どんな状況においても、子どもたちの不安や心の傷付きに大人が耳を傾けてこそ、成長のチャンスが生まれるのではないでしょうか。我々大人の生活の安全、命と健康も脅かされている今、「自分が安心できる場しょ」は皆が最も必要としているものかもしれません。

最後になりましたが、お忙しい中足をお運び頂いた参加者の皆様やともに講師を務めてくださったローマ副理事長と運営にご協力いただいた認定カウンセラーの皆様にお礼申し上げます。

上野美幸




【報告】技術援助事業
~愛媛県臨床心理士会研修会~


2021年3月7日(日)に愛媛県臨床心理士会会員を対象にワークショップが行われ,グリーフワークかがわから花岡,ローマ,杉山を講師として派遣した。愛媛県生涯学習センターを会場として,会場参加は14名,リモートでの参加が34名であった。テーマは「暮らしの中のグリーフワーク ―喪失と悲嘆に寄り添うために― 」,10:15~16:30のワークショップを3部構成で行った。

第1部は,コロナ禍を巡る喪失~主として子どもへの支援~について,ローマが担当し,絵本「みんながヒーロー」と,「COVID-19と心の健康」(マインドファースト製)を資料として読み,感想を話し合った。絵本では,コロナ禍における子どもたちが描かれているが,決してコロナ禍という状況に限るものではなく,日々の暮らしの中での子どもたちの不安や孤独感に気づき,言葉をかけていくことの大切さを共有できたと思う。

第2部は杉山が担当し,まず,自分の生活史における喪失の振り返りを行い,「それぞれの喪失で何が終わったと思いますか」「そのとき,どのような感情をおぼえましたか」「それぞれの喪失体験で失われたままのものは何ですか」ということを考える演習を行い,この演習をとおして気づいたことについて話し合った。テキストは当法人の冊子「喪失と悲嘆のためのガイドブック~暮らしの中のグリーフワーク~」を使用した。昼食を挟み,午後には「家族の死」についての仮想事例を用いてロールプレイを行った。小グループでのロールプレイ,話し合い,そして,家族全員の役割を決めて代表者によるローププレイを行い,役割担当者の感想,ギャラリーとの意見交換と進めていった。

第3部は,当事者としての体験,グリーフワークとの出会いについて,花岡がローマにインタビューを行う形式で進め,参加者との質疑応答も行った。

全体を通しての質疑応答では,愛媛県臨床心理士会研修担当理事で当法人顧問でもある溝淵由理さんがファシリテーターとして会場とリモート参加とを繋ぎ,意見交換を行うことができた。私たちは,役割や立場,役職,資格を持つ以前に一人ひとりが生活者としてグリーフワークの当事者であること,そして相談する人になったり相談される人になったり,互いに支え合える地域づくりという私たちの活動の目標は伝わったのではないかと思う。

次号でローマ真由子が連続レポートを行う。

杉山洋子




◆2021年3月14日 第157回理事会◆


《審議事項》

第1号議案

2021年度通常総会に関する事項

日時は2021年6月13日(日)13:00から行うこととし,議案については 1:2020年度事業報告  2:2020年度収支決済報告  3:2020年度監査報告 4:2021年度事業計画  5:2021年度収支予算案  6:定款変更について 7:役員改選とすることで了承された。定款変更については,次回理事会で杉山理事長が変更案を準備することとなった。

第2号議案

2020年度事業に関する事項

アンケートについては内容を微調整し来年度へ持ち越すことで了承された。現在の所予算通りの執行中であり,次回理事会において,活動決算書と予算書案を提示することで了承された。

第3号議案

NPO法人取得10周年記念事業に関する事項

実行委員長から広く会員に実行委員会への参加を改めて呼びかけることで了承された。

第4号議案

2021年度グリーフカウンセラー養成講座・基礎コースに関する事項

例年通りの時間・日程で開催することで了承され,講師は広く認定カウンセラーから募ることで了承された。会場はサンポートホール会議室を予約する。

第5号議案

実務者研修に関する事項

実務者研修は管理業務として行われることで確認された。次年度については全体を通してグリーフワークを学ぶ場と花岡理事が2回講師として加わることで了承され,西山理事が年間計画を準備し,法人の年間計画に反映することで了承された。



◆2021年3月21日 第100回認定カウンセラー会議◆


  1. 2020年度に認定されたグリーフカウンセラー
    今回のカウンセラー会議から出席することとなり現任のカウンセラーも含め自己紹介を行った。
  2. 2月の事業報告と3月以降の事業についての周知
    相談事業,技術援助事業,普及啓発事業,人材育成事業について報告と,予定についての周知があった。
  3. 会議運営について
    議案の取りまとめ方等について意見交換があった。
  4. 講師派遣依頼について
    2021年度傾聴ボランティア養成講座の年間4回開催のうち前期分の2回の派遣依頼について説明があった。
  5. 勉強会

    【勉強会】

    文献:「喪失と悲嘆のためのガイドブック~暮らしの中のグリーフワーク~」

    (2020 グリーフワークかがわ)https://www.griefwork.jp/main/guidebook.html

    • 「1-2 危機的な喪失―死別がもたらすものは?」10-15ページ 担当:杉山
      人それぞれの喪失と悲嘆の過程があるということについて,大切な人の死に直面した時の心と身体の反応をガイドブックの内容に添い具体例も挙げつつ検討した。対象喪失に伴う感情のなかで,一般的に想像されるのは「悲しみ」という感情であるが,決してそれだけではなくむしろもっと複雑で,なかでも私たちが認めにくい感情のひとつに,怒りの感情がある。怒りの存在は罪悪感を伴うため,受け入れることが難しい。喪失を認め,受け入れる過程はエネルギーを要する。一人ひとりの喪失と悲嘆の過程があり,時間の流れも一人ひとり違っている。互いに理解し合える社会を作るための第1歩は,自分自身の感情に対して寛容になることではなかろうか。孤独な中でグリーフワークの道を辿るのが難しいときもある。大切なひとをなくしたという体験を語り合うグループミーティングは,ピアカウンセリングの場となり,行ったり来たりのプロセスを認め合い,支えとなる場となる。