2019年(令和元年)11月グリーフワークかがわ
ニュースレター第187号(HTML版)

2019年(令和元年)12月15日 グリーフワークかがわ広報部

2019年度グリーフカウンセラー養成講座・基礎コースの報告


毎年行われているグリーフカウンセラー養成講座、今年は11名の受講生が集まり、9月と10月の毎週木曜日計6回、それぞれ2時間の養成講座が始まった。初回は未だ残暑が残り会場駐車場(サンポートホール高松)に吹き込む潮風が心地よかった。

この養成講座はグリーフカウンセリングに必要な知識や技能を身につける事を目的としている。「グリーフ」とは端的に訳せば〈喪失を体験した人の悲嘆〉である。

特に親しい〈人〉や〈ペット〉の死別や別れ、あるいは身体(老病死)、環境(家庭、学校、仕事)、社会(信条、天災人災)など〈私〉に起きる負の変化で起きるのがグリーフである。

このグリーフに襲われている心のケアと援助がグリーフカウンセリングである。今回は特に〈死別〉におけるグリーフと、様々のグリーフが大きな原因となって起きる「自殺」、自殺予防の学習も行った。


今回の講座プログラム

  • 第1回 喪失体験・悲哀と悲嘆
  • 第2回 家族の死
  • 第3回 子どものグリーフワーク
  • 第4回 自殺予防
  • 第5回 末期がん患者の看取りと喪失
  • 第6回 グリーフカウンセリングの終結 カウンセラー自身の悲哀

また、養成講座の準備として7月ごろから数回、講座担当講師を交えて講師会を開き講座内容を吟味してより良き養成講座となる努力もしてきた。

そして、講座期間中は毎回、講座終了受講生退出後に一時間ほど「振り返り」の話し合いを持ち、次回の養成講座、しいては我々の活動のグリーフワークに反映されるように研鑽を重ねた。

各講座は最初の初回は自己紹介、2回目から前回の講義の質問などで始まり、その後は各講座のテーマを資料やスライドを使い、それぞれのプログラム「グリーフ」の解説と講義を行った。

解説と講義を終えた後は主に演習(ロールプレイ※)を中心にして進められた。先ず3名ほどの少グループに別れて用意されたグリーフ事例文を読み上げて全員で事例を共有して演習(ロールプレイ)に取り組んだ。このロールプレイが主たるカリキュラムであった。

(事例1)、ある5人家族に突然起きた長男の事故死(父、母、妹、弟、家族の様子、行動、感情を簡素にまとめた創作文)を元にしてカウンセラー場面を想定して、クライアント(相談者)役とカウンセラー役、オブザーバー(フィードバック係)を決めてロールプレイを行った。

ロールプレイ後に振り返りを行い、このフィードバックすることで良かったこと悪かったことが言語化され共有され疑似体験ではあるが、講義では得られない人の感情のうつろいの中での対処(カウンセリング)を体験した。

そして同じ事例で役を代わりながら、カウンセラー方法を代えながらロールプレイを行い、そのつどグループそして全体のフィードバックを審議した。

ロールプレイ、受講生は当初「どこまで、どれほど演じれば?」と戸惑う様子だったが、回を重ねるほど個々の表現の中で演じられるようになり深く演じれば相手役も観化されインスパイアして深く学習できることを体験していた。

11名の受講生はもとより講師(グリーフワークかがわ認定グリーフカウンセラー)、アシスタント講師(グリーフワークかがわ認定グリーフカウンセラー)共々学びあった6日間であった。


※ロールプレイとは
役割演技(やくわりえんぎ)、現実に起こる場面を想定して、複数の人がそれぞれ役を演じ、疑似体験を通じて、ある事柄が実際に起こったときに適切に対応できるようにする学習方法の一つである。

Wikipediaより

グリーフワークかがわ認定カウンセラー 童銅啓純



2019年度グリーフカウンセラー養成講座・基礎コースに参加して


2019年度のグリーフカウンセラー養成講座の報告文を提出するよう承りましたので、少々偶感を申し述べさせて頂きます。先ず冒頭でお詫びしなければならないのは、特に連絡もしないまま聴講できるものと考え、養成講座に伺ったことをお許し下さい。企画会議で綿密な計画を立てて来られた理事長はじめ各講師、認定カウンセラーの皆様にはご迷惑をお掛け致しました。しかし、寛大なご処置で受講を許可下さり、大変勉強になりました。重ねて感謝申し上げます。

さて本年度の養成講座は、全6回の講義の連続性、繋がりが重視されていました。その為、受講者は効率よくグリーフカウンセリングについて学べたのではないでしょうか。具体的には各講師が同じ事例でロールプレイを行ったり、講義の初めに前回の内容を振り返ったりする機会を設けたことです。またロールプレイのグループも、なるべく同じ顔ぶれにならないような配慮があり、参加者は様々なロールプレイに触れる機会がありました。

第1回は池島邦夫氏が「喪失体験」「悲哀と悲嘆」をテーマに、先ず「喪失」に関する定義づけ、基本的論理の講義がありました。また冒頭に各グループでの自己紹介があり、参加者はその後スムーズにロールプレイに入れたと思います。

第2回はローマ真由子氏の「家族の死」をテーマとした講義でした。ロールプレイの後にグループでディスカッションして各グループでのロールプレイを振り返り、それぞれにクライアントやカウンセラーとしての感情を確認することが出来ました。また配布された「開かれた質問例」なども自身の感情に気づく一助になったと思います。

第3回は上野美幸氏の「子どものグリーフワーク」をテーマとした講義でした。第一回の内容を復習するようにグリーフワークの定義を確認し、第二回と同じ事例でのロールプレイで子どもの悲嘆のみならず、その子どもを支える家族へのケア、ファミリーカウンセリングの必要性を学べたと思います。

第4回は夛田敏恭氏による「自殺予防」に関する講義でした。昨今、高齢者の自殺率が増加している背景に、社会的に孤立する中で生きる意味を喪失していく、という話はけして高齢者だけの問題ではなく、グリーフワークに欠かせない対象者に寄り添っていく姿勢やスキルを学べました。

第5回は瀬尾憲正氏より「末期がん患者の看取りと喪失」をテーマに、「ケアする人の対話スキル」と「予定された死別に対するグリーフを理解する」ことについて学びました。参加者も5回目と言うことで、それぞれ理解が深まってきた様に感じました。またロールプレイに十分な時間を割いたことも効果的だったと感じました。

最終回は再び池島邦夫氏に登壇頂き「グリーフカウンセリングの終結等」について学びました。「喪の課程」における新しい関係性を構築することの重要性や、カウンセラー自身の悲嘆について理解出来ました。個人的には自分自身への理解が、他者に対するケアには不可欠であることを再確認できました。各講師の皆様、本当に有難うございました。

グリーフワークかがわ認定カウンセラー 山本匡史



 リビングwithグリーフ 


遥かなるノーマライゼーション

花岡 正憲


乗っていた路線バスがある停留所へ着いたところ,足の不自由な高齢の女性が席を立って料金入れまで歩いて行った。運転手が,迷惑そうに「おばあさん,あんただけがお客さんじゃないから,急いでな」と言い放った。20数年も前のことである。

そのころ,欧州を旅行して路面電車に乗ったときの経験である。奥の方は空いていたが,近くで降りるので運転席のすぐ後ろで立っていた。次の停留所で,双子のベビーカーを引いた女性が乗り込んでこようとした。双子用ベビーカーは,重たく,幅も広い。低床車両とは言えステップに乗せるのに手間取っていた。「手伝ってあげて下さい」運転手に声をかけられ,我に返りベビーカーの端をもって引きあげた。

目の前で困っている人がいながら,傍観者として眺めていた自分を恥じ入る思いだった。人は,ともすれば生き辛さを抱えている人に対して,鈍感になりがちだ。先の路線バスの運転手のように「この人とは同じ船に乗りたくない」と言った排除の心理が露骨に出てしまうことさえある。

10月下旬,1歳児の双子の母親が,名古屋市営バスに双子用ベビーカーの乗車を拒否された。1人では持ち上げられないため,運転手に乗車用のステップ利用を申し出たが,運転手に無視された。市役所に行くために双子用ベビーカーでバス停に行った母親は,混雑したバスへの乗車を避けるために3本バスを見送り,空いているバスを選んで乗車しようとした結果だった。結局,母親は40分歩いて市役所に行ったと言う。

名古屋市交通局は,混雑時は2人乗りベビーカーは折りたたんで乗車するようお願いしていると言う。一体どうすればベビーカーを折りたたんで,2人の乳幼児を連れて乗れると言のだろう。想像力の欠如には呆れるばかりだ。

全国各地で,ユニバーサルデザインのタクシーが,車椅子の乗車を拒否するようなことも起きている。

障害の有無や能力差を問わず利用できる就労形態の一つである短時間労働もユニバーサルデザインである。

首相主催の「桜を見る会」の招待者名簿を野党議員が資料要求した直後に内閣府が廃棄した問題で,12月2日,安倍晋三首相は,参院本会議で,シュレッダーで名簿を廃棄したのが「障害者雇用職員」だったと述べ,4月の「桜を見る会」終了後,すぐに廃棄できなかった理由として,担当職員が「短時間勤務」だったことを挙げた。

そもそも公文書に当たる名簿を保存期間1年未満で廃棄すること自体問題だが,すぐに廃棄する必要があれば,方法はいくらでもあろう。あえて障害者雇用で短時間勤務だった言う必要はない。インターネット上では「障害者と公表する必要はない。障害者のせいにするのか」「なぜ個人情報を公開するのか」などの批判が相次いでいる。

障害者で短時間勤務職員だったと言えば,この職員が特定されかねない。当人が受ける心理的重圧に想像が及ばなかったのか。こうした答弁書を書く役人とそれを平気で読む首相の無神経さは,許しがたいものがある。

障害者雇用とその就業形態が,組織防衛のために利用される。2018年に発覚した中央省庁の障害者雇用の水増し問題と重なるところがある。障害者に対する「合理的配慮」とは,おためごかしに過ぎない,と受取られても仕方なかろう。障害者差別は,障害者を語る政治家や権力者の言説の影響を受けやすい。

私たちの社会は,それぞれの事情の中にいる人々で成り立っている。ノーマライゼーションとは,違いを吸収し全体を均一化することだ。人それぞれの差異を強調することでは,実現しない。


(グリーフカウンセラー 精神科医)
2019・12・6




◆2019年11月10日 第139回理事会◆


《審議事項》

第1号議案

GWK相談室の周知に関する事項

ブロシュールへの掲載については相談室の住所は明記し,駐車場に関しては「近隣の有料駐車場を利用下さい」と記載することで了承された。相談担当者からの不安・危惧に対してはGWKでの相談事業が立ち上がった経緯なども含めて,全会員で改めて確認する事が必要であり,その為の研修は不可欠であると確認した。相談事業に関わる認定カウンセラーの研修については資格認定規則で必須となっているので,今後更にスーパービジョンや事例検討会などを重ねて,認定カウンセラーの育成に努めるという事で了承された。

第2号議案

香川県共同募金会令和元年度テーマ募金(令和2年度事業)に関する事項

夛田理事から,今年度の募金チラシ案が提出され,原案通りで承認された。送付時の趣意書はGWKにて準備し,封入については印刷仕上がり日程が分かり次第12月27~28日を目安とし,発送業務は12月30日を目処に行う事で承認された。11月18日の説明会には夛田理事が出席し,テーマ募金について他団体のイベント等で一緒に子どもについての講演・募金活動が出来ないか相談する事となった。

第3号議案

ひまわりミーティング2020年4月の会場に関する事項

ひまわりミーティングの会場を検討した段階で,「日時と開催場所を固定出来るように」という事とと もに,ミライエ内にある高松市男女共同参画センターは子ども連れでも来易いという事も開催場所を決定した経緯もあること,また参画センターでの会場が全く取れない事は年に1回あるかどうかという事を踏まえ,2020年4月については会場を別の会場に移すのではなく休みとすることで了承された。

第4号議案

「あゆみ」と「GWKブロシュール」に発足の経緯を明記することに関する事項

現状のブロシュールにある「保健師」の箇所を当事者性を大切にする理由から「娘をなくしたひとりの母親」へ変更すること,GWKのHPには発足の経緯を明記することで了承された。

第5号議案

役員研修の実施に関する事項

理事会は法人の中枢部として,議論と意見交換をとおして意思決定を行なう場であるが,理事会とは別に研修の必要性が提案され,ミッションをめぐる認識を共有しておくことは,執行部に求められる最低限の責務でもあることから総会の前後には必ず研修を行うことと,必要に応じて開催を要請し理事長が召集することで了承された。




◆2019年11月17日 第85回認定カウンセラー会議◆


  1. 各相談事業の報告
     10月の相談事業について現状報告があり,予約段階での対応についての協議と,予約に遅れた方への対応についての協議を行った。
  2. 実務者研修の報告と今後の予定について
     コーディネーターから報告があり,今後の研修の運営について検討した。
  3. ひまわりミーティングの会場確保について
     安定した会場確保のための方法について協議した。