2019年(令和元年)6月グリーフワークかがわ
ニュースレター第182号(HTML版)

2019年(令和元年)7月10日 グリーフワークかがわ広報部

~グリーフワークへの思い~


グリーフワークカウンセラーの養成講座を受けるまで,グリーフという言葉すら知りませんでした。調べてみると,グリーフとは「深い悲しみ」や「悲嘆」を意味する言葉で,大切な人を失ったときに起こる身体上・精神上の変化を指し,死別はもちろんのこと,離婚などによって関係がきれるとき,引越しで慣れ親しんだ場所から離れるとき,職を失くしたとき,ペットが死んだときなど,さまざまな状況で私たちはグリーフを経験するとありました。

僕自身のグリーフの体験を紙に書いてみると,失恋,病気,職を失う,お金を失う,大切な人を失う,昇進試験に落ちるなどでてきました。その都度,自分との対話をして,日常に戻るようにしていたかと思います。

そして,どうしてグリーフワークカウンセラーの養成講座を受けたかというと,僕の友人や同僚などから子どもがなくなったり,親がなくなったりと連続して起こった時に,カウンセラーとして活動はしていたけれども,相手に寄り添いながらも自分の非力さを感じました。どうにかしてもう少しでも友人とうまく関われたらよかったらと思い,グリーフワークカウンセラーの養成講座を受けました。

そして,今,感じているのは,僕の目指すカウンセラーは大きくて優しくぶれない頼れる愛にあふれている存在です。カウンセラーになるのではなく,カウンセラーを生きるという言葉を知りました。僕は誰かの頼れる存在になりたいんだと気づいた瞬間でした。

話を聴いてほしい時に,聴いてくれる人がいるのって素晴らしく安心なことだと感じます。

だから,グリーフワークカウンセラーの面談の時に,グリーフワークが必要な人に届くように,情報発信をしたいと伝えました。

そして,関わるなかで,グリーフワークカウンセラーとして,グリーフワークかがわの一員として,カウンセラーを生きたい,そして,成長していきたいです。

グリーフカウンセラー 久保田大介



第15回社員総会を終えて
~対話から育まれるグリーフワークの地域力~


第15回社員総会で9名の理事と2名の監事の再選について承認され,今期の理事体制が決まり(総会終了報告のとおり),総会終了後の第134回理事会第1号議案において理事長に杉山,副理事長に瀬尾憲正が選任され,各事業の主担当理事体制が決まりました。今期は,例年の事業に加えて,NPO法人取得10周年記念シンポジウムの企画と,認定NPO法人の5年目の審査を受ける準備に取り掛かります。

ここ数年,外部関係機関からの講師派遣依頼が増えてまいりました。依頼を受け,研修の場に赴き,終了後の担当者会議をとおして,普及啓発事業や技術援助事業の在り方を再確認する機会になっています。

私たちが目指しているのは,グリーフワークについて教える,教えられるという関係ではありません。講師を含めて参加者同士の対話が生まれ,対話を通して一人ひとりのグリーフワークについて新たな気づきが生まれてくる,そうした創造的な場を造ることです。私たちの役割は,グリーフワークの専門家として,その場の意見交換や質疑応答をファシリテートすることだと考えています。議論のなかで,時には異議を唱えられることもありましょう。自分たちの勉強不足に向き合わざるを得ない場面もあるでしょう。しかし対話の場に身を置き,一つひとつの疑問に向き合うことがグリーフワークへの理解を深めてくれます。

人々が生きる気力を失いかけた時に,木々の姿に勇気づけられることがあります。それは厳しい環境の中でも風雪に耐え,樹皮が剥がれたり枝が折れたりしつつも,また枝を延ばし葉を茂らせてその場所に立っている,そうした樹の姿に自分を投影し,土の中に根を下ろしていることに気づくとき,自分自身の生きる力を取り戻すのかもしれません。

今年はNPO法人の認証を受けて10年になります。私たちは肩書や資格の有無を問わず,グリーフワークという視点で地域の課題を解決することを目標として事業を展開してきました。この地に種を蒔いた私たちの活動が,確実に枝葉を延ばしていくためには,しっかりと根を張る努力を重ねていきたいと思います。これからもご支援をどうぞよろしくお願い申し上げます。


2019年6月30日

特定非営利活動法人グリーフワークかがわ
理事長 杉山洋子




◆リビングwithグリーフ◆


人コンポスト法

花岡 正憲


日本の葬儀は飛鳥時代からはじまり,仏教の影響で平安時代には貴族を中心に火葬や法事が行われるようになった。葬儀代を払えない一般庶民の遺体は,江戸時代までは,荼毘に付されず道端や河原に捨てられることもあった。明治期に一時火葬禁止令が発令されたが,すぐに廃止され,以来,火葬が主流になった。

「墓地,埋葬等に関する法律」いわゆる墓埋法2条には,「この法律で埋葬とは,死体(妊娠4か月以上の死胎を含む。以下同じ。)を土中に葬ることをいう」と定められている。

埋葬は火葬しか認められない。そう信じている人は少なくない。東京,大阪などの大都市では,条例によって,土葬禁止地域を指定しているところもあるが,法律上は,火葬以外の死体処理の禁止は明記されていない。

かつて近親者の死去に際し,役所へ死亡届を提出に行ったおりに,埋葬法について尋ねたことがある。土葬は,それが可能な土地があればよいが,野犬や野生動物が掘り起こしたりしないように留意すること,周辺への水質や土壌の汚染の可能性があるところは避けること,また,散骨は,他人名義の山野や人や船の往来が多い河川や海域は避けるようにとのことだった。法律上は,遺体処理にさいしては,宗教上の葬送方式とは関係なく,あくまでも衛生面,生活環境面への配慮は必要だと言うことである。

近年は,ライフスタイルの変化にともない,ペット葬儀も火葬である。一昔前は,犬や猫の死骸は庭先に埋められた。近年,生ゴミや庭の枯れ木などを堆肥にするように,人の遺体を堆肥にして自然に返す人コンポストという新しい葬送方式が考案されている。

4月21日,アメリカ国内では初めて,米ワシントン州で人間の遺体の堆肥化を認める州法が施行された。住民は死後,自分の遺体を堆肥にするかどうかを選択することができる。堆肥化が終わると,遺族には堆肥が渡され,花や野菜,木などの肥料として使うことができる。

2001年に設立されたスウェーデンのプロメッサ・オーガニック社は,金属を除き,火葬なしで遺体を粉にし,堆肥化して草木の栄養にできる新しい埋葬法を開発した。地中の浅い部分に,遺体だけ埋めても堆肥化しないため,遺体を液体窒素に浸して凍結させ,フリーズドライ化する。体重の約30%になった粉末を小型の特殊な棺に入れて,土の浅い所へ埋めると,微生物やバクテリアの働きで,約1年で腐植土になるという。

人コンポストは,こうした遺体処理の方法が,死者への尊厳を損なうのでないかという反論もあろう。だからと言って,火葬でなければならないという理由もない。火葬は,私たちの祖先が作りだしたやり方が,習慣化しているに過ぎない。日本は火葬が99.9%と突出しているが,世界的には,風葬,水葬,鳥葬,獣葬なども行われている。

火葬には,多量の燃料が必要で,排ガスなどが大気中に放出される。人は死んだら堆肥として大地の肥やしになる。人間は自然の一部であり,いずれ土となることには変わりはない。人遺体だけがリサイクル過程の外にいなければならない理由はないだろう。人コンポストと言う新しい遺体の処理法が,あらためて死者の尊厳や葬送とは何かを考える機会になれば良いと思う。


(グリーフカウンセラー 精神科医)
2019・6・23




◆グリーフワークかがわ第15回社員総会が開催されました◆


特定非営利活動法人グリーフワークかがわ定款第23条に基づき第15回社員総会を開催しましたので,下記の通り報告いたします。


日 時:2019年6月9日(日)13時30分~14時30分
場 所:高松市男女共同参画センター 第2学習研修室
高松市松島町1丁目15番1号 たかまつミライエ6階
出 席:出席者16名 委任状出席28名

  1. 開会の辞
  2. 議長選出

    司会の上野美幸から,正会員総数66名中,出席者16名,委任状提出者28名の報告があり,定款第26条並びに第28条3に基づき,定足数を満たすことが確認され,第15回社員総会は有効に成立する旨が宣言された。議長は,立候補により瀬尾憲正が選出された。議長は,書記を上野美幸,議事録署名人を花岡正憲とローマ真由子に指名した。

  3. 議 事

    第1号議案 2018年度事業報告

     杉山洋子理事長より2018年度の事業の実施状況について報告が行われた。

    第2号議案 2018年度収支決算報告

     村上美智子理事より2018年度の収支決算について報告が行われた。

    第3号議案 監査報告

     福岡啓治監事から,2019年4月23日に杉山洋子理事長,夛田敏恭副理事長,村上美智子理事立会いのもと,2018年度事業について生駒学監事とともに,適正かつ正確に執行されていると認め監査を終了したと報告があった。

    瀬尾議長から,第1号議案から第3号議案について,一括質疑が求められたが質疑はなく,拍手多数により承認された。

    第4号議案 2019年度事業計画案

     杉山理事長より2019年度の事業計画の説明が行われた。

    第5号議案 2019年度収支予算案

     村上美智子理事より2019年度収支予算案の説明が行なわれた。

    瀬尾議長から,第4号並びに第5号議案について,一括質疑が求められたが質疑はなく,拍手多数により承認された。

    第6号議案 役員選出に関する事項

     定款第13条及び第15条の規定により役員選出を行い,杉山理事長から,事前に自薦,他薦の届はなかったと報告があった。この後,杉山理事長から,現任の役員以外に自薦ないし他薦の候補がない場合は,現任の理事9名並びに現任の監事2名それぞれから事前に役員就任の承諾が得られていることの報告と同名を候補として推薦したいとの発言があった。この後,賛否を求めたところ,賛成多数で承認された。

    理事に選任された者は次のとおりである。


    理事 杉山洋子  (重任)
    理事 夛田敏恭  (重任)
    理事 花岡正憲  (重任)
    理事 村上美智子 (重任)
    理事 村上典子  (重任)
    理事 上野美幸  (重任)
    理事 瀬尾憲正  (重任)
    理事 ローマ真由子(重任)
    理事 西山忠明  (重任)
    監事 生駒学   (重任)
    監事 福岡啓治  (重任)

    第7号議案 その他

    なし

  4. 議長解任


◆2019年6月9日 第134回理事会◆


《審議事項》

第1号議案

理事長及び副理事長選出に関する事項

第15回社員総会において選出された理事の互選により理事長に杉山洋子,副理事長に瀬尾憲正がそれぞれ選任され,被選定者は席上ただちに就任を承諾した。

第2号議案

2019年度役員の役割分担に関する事項

新理事によって本年度事業計画に基づき,主担当理事が決定された。

第3号議案

2019年度グリーフカウンセラー養成講座・基礎コースに関する事項

2019年度のグリーフカウンセラー養成講座・基礎コースの企画について,主担当理事上野より,第1回,第2回企画会議について報告された。本年度は9月26日より全6回,会場はサンポートホール第51会議室にて開催予定である。講師,アシスタント講師について未決定であった第2回主担当講師としてローマ真由子理事が担当すること,第1回講師会を7月11日に行い,講座の内容について検討を開始していくことで了承された。

第4号議案

AIYAシステムの再委託に関する事項

AIYAシステムより委託業務の一部を第三者に委託したいとの申し出があったことから,契約書の第9条の確認を行った上で,委託先とその契約内容の詳細についてAIYAシステムに確認後協議することで承認された。

第5号議案

技術援助事業(ゲートキーパー普及啓発事業)に関する事項

香川県精神保健福祉センターからの標記事業について,善通寺市職員を対象に自殺予防をテーマに講師派遣依頼があり,夛田理事が県精神保健福祉センター担当者と連絡調整を行うことで了承された。

第6号議案

香川県自殺対策相談窓口担当者研修会に関する事項

香川県健康福祉部障害福祉課から標記研修会の打合せの出席依頼があったとの報告があり,6月17日杉山理事長が出席予定として承認された。

第7号議案

「アドバンスコース(仮)」の新設に関する事項

グリーフカウンセラー養成講座について,基礎コースに続く「アドバンスコース(仮)」について,基礎コース修了後の認定カウンセラーの人材育成を目的として,さらなる応用コースを開設することについて検討し,人材育成担当理事により次回理事会で実施要領案を示すことで承認された。




◆2019年6月16日 第80回認定カウンセラー会議◆


  1. 各相談事業の報告
     5月の相談事業について現状報告があった。
  2. 実務者研修について
     2019年度の実務者研修の実施要領を策定すること,スーパービジョン,ロールプレイ,事例検討という方法も含めて検討することを理事会に上申することとなった。
  3. 認定カウンセラー会議で行っている勉強会について
    ・次回から,当法人の内部規定(倫理規定をはじめ,実施要領など)を取り上げていくこととなった。


【勉強会】


使用文献:
使用文献:「子どもの悲しみによりそう・喪失体験の適切なサポート法」
ジョン・ジェームス、ラッセル・フリードマン、レスリ―・ランドン著
水澤都加佐、黒岩久美子訳
2014年大月書店

担当:瀬尾
範囲「パート6第30章から第32章」

30章「死」の真実を話す

31章 宴曲やたとえは混乱をまねく

32章 子どもと葬儀


以上について内容の要約が説明され意見交換を行った。