2016(平成28)年5月グリーフワークかがわ
ニュースレター第145号(HTML版)

2016(平成28)年6月11日 グリーフワークかがわ広報部

◆2016年度グリーフワークかがわ通常総会が開催されました◆


特定非営利活動法人グリーフワークかがわ定款第23条に基づき第11回通常総会を開催しましたので,下記の通り報告いたします。


  • 日 時:2016年5月29日(日)13時30分~15時00分
  • 場 所:高松市男女共同参画センター 第2会議室(高松市錦町1-20-11)
  • 出 席:出席者10名 委任状出席22名

  1. 開会の辞
  2. 議長選出
    楠本典子事務局長から,正会員総数45名中,出席者10名,委任状提出者22名の報告があり,正会員総数の2分の1以上の出席者があるため定款第26条による定足数を満たすことが確認され,第11回通常総会は有効に成立する旨が宣言された。議長は,推薦により夛田敏恭が選出された。議長は,書記を上野美幸,議事録署名人を花岡正憲と植田夕香に指名した。
  3. 議 事
  • 第1号議案 2015年度事業報告
  • 杉山洋子理事長より総会資料に沿って2015年度の事業の実施状況について報告が行われた。
  • 第2号議案 2015年度収支決算報告
  • 村上美智子理事より,総会資料に沿って,2015年度の収支決算について報告が行われた。
  • 第3号議案 監査報告
  • 稲田ひとみ監事より,2016年5月2日,杉山理事長,夛田敏恭副理事長,村上美智子理事立会いのもと,藤川和代監事とともに監査を行い, 2015年度事業について適正かつ正確に執行されていると認め監査を終了したと報告があった。

  • 議長から,第1号議案から第3号議案について一括質疑が求められたが質疑はなく,賛成多数により承認された。

  • 第4号議案 2016年度事業計画案
  • 杉山理事長より,総会資料に沿って,2016年度の事業計画の説明があった。
  • 第5号議案 2016年度収支予算案
  • 村上理事より,総会資料に沿って,2016年度収支予算案の説明が行なわれた。

  • 議長から,第4号並びに第5号議案について一括質疑を求めたところ,以下の4点の修正事項と3点の質問事項が挙げられ、修正及び質問に対する回答が行われた後,拍手多数により承認された。
  • 修正事項1:
  • 第4号議案 2016年度事業計画案について,相談事業内の「①グループミーティングの開催」を「①身近な人を亡くした方のグループミーティングの開催」と明記する。
  • 修正事項2:
  • 相談事業内の「②第2グループ『喪失を経験した子どもの親・保護者グループ』を立ち上げる。」を「②モデル事業『喪失を経験した子どもの親・保護者グループ』の実施」と修正する。
  • 修正事項3:
  • 調査研究内の「①モデル事業として『喪失を経験した子どもの親・保護者グループ』を立ち上げる。」を「①『喪失を経験した子どもの親・保護者グループ』の実証研究」と修正する。
  • 修正事項4:
  • 2016年度事業計画案について,本年度新規に計画された事業内容,普及啓発内「⑥グリーフワーク・デイとグリーフワーク週間」,相談事業内,修正後の「②モデル事業『喪失を経験した子どもの親・保護者グループ』の実施」,および修正後の調査研究内,修正後の「①『喪失を体験した子どもの親・保護者グループ』の実証研究」に新規事業である旨を明記する。

  • 質問1:
  • 広報活動は効果的に行われているのか,市報やリビング新聞等を活用してはどうか。
  • 答弁1:
  • 市報などは締め切りが比較的早期となるため公開講座等の準備状況に合わせて活用する必要があるものの,現在も記者室への広報や関係各機関へのFAXなどは積極的に行っている状況である。(杉山理事長)
  • 質問2:
  • 新規事業のモデル事業「喪失を経験した子どもの親・保護者グループ」と普及啓発「グリーフワーク・デイとグリーフワーク週間」はどのように行うのか,人員確保は困難ではないか。
  • 答弁2:
  • 「グリーフワーク・デイとグリーフワーク週間」については今後HP等メディアを有効に活用し広く呼びかけつつ毎年の企画を計画している。新規事業は今後ワーキンググループを立ち上げ準備する。現在登録しているカウンセラーが現在約50名と潜在的には確保できる人員は少なくない。(杉山理事長)
  • 質問3:
  • 現在実施している「身近な人をなくした方のグループミーティング」の担当者を,下半期から二人体制にもどすと説明があったが,参加が多い場合もあり対応が可能か。
  • 答弁3:
  • グループでのミーティングでは,参加者の適切な人数も検討する必要がある。参加者の増加に対して,担当者を多くすることが解決策ではなく,グループを分けることを検討するべきである。当事者として参加した複数の意見から認定カウンセラー会議でも議論され,二人体制に戻すことが可能である。(杉山理事長)

  • 第6号議案 役員選出に関する事項
  • 杉山理事長から,塩田征子,西邑翼の2名の理事は今期にて退任の意向があるとの報告があった。定款第15条2に基づき,執行部案として理事候補上野美幸の案が示され,賛成多数により承認され,被選任者は,その席上就任を承諾した。
  • この後,杉山理事長から,退任2名の理事それぞれの在任中の貢献についての報告が行われ謝辞が述べられた。

◆リビングwithグリーフ◆


広場

花岡 正憲


イタリア映画『ニュー・シネマ・パラダイス』(1988)では,少年と映写技師とのヒューマンな触れ合いを軸に,都市化,近代化の中で失われていくものと,いつの時代も人々が切望しているものが交錯しながら,物語が展開して行く。南イタリアの小さな町の映画館「新パラダイス座」は,人が行き交う広場に面しており,様々な人間模様が繰り広げられる町の中心にある。

欧州を旅すると,そこここで広場にお目にかかる。ローマには,かの『ローマの休日』で有名になった,スペイン広場がある。モスクワの赤の広場は,クレムリン城壁や有名デパートに接している。広場は,歴史上の舞台になることもあり,パリのコンコルド広場は,革命広場と呼ばれたことがある。

広場には,商用施設や官公庁が面していることが多く,イベントも行われるが,市民集会の場でもあり,政治的・宗教的な儀式や行事が行われることもある。結婚式を挙げたばかりのカップルの記念写真スポットにもなる。人や物や情報が行き交う広場は,コミュニティの交流の中心拠点であることから,人々にとっては特別な意味を持った象徴的空間になっている。

日本ではこの種の広場は殆どなく,皇居前広場は,警備が厳しく,市民が気軽に利用できる雰囲気ではない。国の統制下にあるという点では,天安門広場とあまり変わりはないのだろう。広場に代わる公共空間として公園があるが,東京の一人当たりの公園面積はロンドンの約10分の1である。

広い空き地があると,遊ばせておくのは勿体ない,もっと有効活用をしたらどうか,などと言う声が上がる。自治体によっては,空き地活用について住民から意見を募るところもある。広場や空き地の意義や機能を認めず,使い勝手が悪く,無用の長物になりがちなハコモノを造りたがるのは日本の特徴であろう。

東京杉並区で,ただでさえ少ない公園の何か所かを保育所用地に転用することを巡り,地元民と行政が激しく対立している。候補地が保育所になれば,限られた人たちの使用施設となってしまい,人々が自由に使える公共空間がなくなるというのが主な反対理由である。

保育所の新設自体は反対でないが,ここでなくても良いハコモノができることで,それ以上に大切なものが失われてしまうことに,地域の人々は気づいているのだろう。

『ニュー・シネマ・パラダイス』では,時代の変化の中で,「新パラダイス座」は閉館され駐車場になる。町では変人扱いされている男が「ここは俺の広場だ!(La piazza mia!)」と叫びながら取り壊された映画館前の広場を駆け回る。狂気をはらんだ一人の男を通して,広場は不滅であるという人々の思いが伝わってくる場面でもある。


(グリーフカウンセラー 精神科医)
2016・6・6


◆2016年5月8日 第94回 理事会開催◆


《審議事項》


第1号議案

2015年度事業報告,収支決算と監査に関する事項

生駒会計事務所の点検も終了し5月2日に監査済であることが報告され総会に諮ること で了承された。

第2号議案

2016年度事業計画に関する事項

第93回理事会で修正された2016年度事業計画が承認され総会に諮ることで了承された。

第3号議案

2016年度収支予算案に関する事項

会計担当から示された予算案について一部修正のうえ総会に諮ることで了承された。減少を続ける財産を鑑み,収益勘定の受取寄付金の増収について,寄付金の募り方等を検討することとなった。

第4号議案

香川県共同募金会平成28年度テーマ募金に関する事項

夛田副理事長が5月10日開催の説明会に参加し詳細を報告することで承認された。
(このことについては,説明会後,申請の条件に合わず今年度は応募しないこととなった。)

第5号議案

グループミーティング2016年度計画に関する事項

第43回認定カウンセラー会議からの上申事項として2016年度のグループミーティング事業の見直しについて審議された。理事長からカウンセラー会議からの上申事項の説明があり,①グループミーティングの担当者(現在3名体制)を10月以降は、2名体制に変更すること,②11月以降のグループミーティング開催会場について、公共の施設の情報収集も行っているが,年間を通じて同一の会場を確保することが困難であることと費用の点での問題があることの2つの条件を考慮し,一候補として認定NPO法人マインドファーストが管理する「オフィス本町」を使用する方向で検討。現時点でマインドファースト側からは施設使用料・希望日時の年間予約の可否等について回答がなされている。カウンセラー会議で会場の見学者を募り,5月29日午前10時から現地見学を行う予定としマインドファーストと交渉することで了承された。

第6号議案

ブロシュールの取り扱いに関する事項

在庫のブロシュールについて多数の者の目に留まる場所(コミュニティーセンター等)へ設置するなどの活用案が提示され承認された。

第7号議案

2016年度公開セミナーに関する事項

担当理事から示された公開セミナーの企画について了承され,①毎回異なった講師では なく一人の講師が2~3回のシリーズでセミナーを行うこと,②現在講師候補となっている者については、開催可能時期が夏以降となることから講師ごとに会場を選定することと今後の情報収集をしていくことで了承された。

第8号議案

2016年度事務局長に関する事項

事務局担当の楠本典子が、後任として事務局長となることが承認された。


◆2016年5月15日 第44回 認定カウンセラー会議◆


【審議事項】


・現在、毎月開催されている認定カウンセラー会議について、出席人数が少ないことから、2か月に1回にしてもよいのではないかとの意見が出された。
グループミーティングと認定カウンセラー会議が一緒に開催されれば参加者も増え、活発な意見交換になるのではとの話し合いがされた。


【勉強会】

・クライシス・カウンセリングハンドブック 第5章 自然災害と物理的災害  担当者:瀬尾憲正
阪神大震災の際に支援活動をされ、その後も日本に留まらず世界各地で災害時の支援活動をされている瀬尾先生の貴重な体験談を聞かせていただいた。
災害時の喪失体験は大切な人を失うだけでなく、住む場所や仕事などの社会環境まで失い、食べるものにまで困るという規模が大きな喪失体験を伴っているということを学んだ。