2016(平成28)年3月グリーフワークかがわ
ニュースレター第143号(HTML版)

◆2015年度認定カウンセラー拡大会議を開催しました◆


2016年3月20日,認定カウンセラー拡大会議を開催しました。2015年度に新たにグリーフカウンセラーとして3名を認定し,登録の手続きも完了しています。拡大会議は定例の認定カウンセラー会議に新登録者も加わり9名の出席がありました。

最初に,夛田副理事長から認定NPO法人としての活動の意義について説明があり,引き続いて2016年度事業計画について議論が交わされました。主な内容は,寄付活動の具体的な方法案,普及啓発事業の一環としてawareness day「グリーフワーク・デイ(仮称)」の提案,相談事業では現行のグループミーティングの見直し,モデル事業として新たなグループの立ち上げに関すること,人材育成のあり方の検討などです。議論された内容は,認定カウンセラー会議からの提案として理事会に提出し,実務者の意見を反映した事業計画案が作成されます。

後半は,定例で行っている認定カウンセラー会議の趣旨説明と,勉強会の紹介があり,勉強会は新メンバーが担当することになりました。また,実務者研修に関する理事会への提案事項として,研修の施行細則の規定を話し合いました。最後に2月の相談事業の報告を行い閉会となりました。

認定カウンセラー会議の主担当は西邑翼理事から村上典子理事に交代します。西邑理事には1年間にわたり会議運営にご尽力いただきましたことを心から感謝申し上げます。

理事長 杉山洋子


◆リビングwithグリーフ◆


立ち話

花岡 正憲


昨年12月,広島県府中町立中学3年の男子生徒が自殺した。中学1年の時に万引きをしたという事実誤認に基づき,私立高校に推薦を出すことが難しいと,担任が5回にわたり確認の面談をしていたことがわかった。面談とは,教室前の廊下で行われた5回の立ち話である。

広辞苑第6版では,「立ち話」の用例として「立ち話も何ですからお入りなさい」とある。立ち話は,応対方法としては丁重さに欠けるため,長居をされたり,込み入った話になったりすることを避けたいという意思表示のボディランゲージになることもある。今日,上司が部下を立たせたまま話を聞くことは,パワーハラスメントになりかねない。

じっくり話をするには,立ったままでは難しく,「腰を据えて」とか「膝を突き合わせて」と言った表現があるように,それにふさわしい姿勢や体位をとるものだ。

セラピストも教師と同様,真剣な言葉のやりとりを通して人の行動や人間関係になんらかの影響を与えることを仕事としている。そのため,クライエントとの対話は,腰かけて行なうのが常識となっている。クライエントとセラピストの位置関係や椅子の向きなどにも気を配っている。

「先生は忙しいから,生徒一人ひとりに丁寧に関わっていく余裕がない」といった同情論や擁護論は,せいぜい身内に通用する話ではあっても,生徒や保護者に受け容れられるものではない。

教師の仕事は,生徒の人生が成功することにまで責任を持つことは期待されていない。しかし,少なくとも,子どもの未来に先回りをして,可能性を閉ざすようなことがあってはならない。教師は生徒にとって,人生における立ち話程度で終わる通りすがりの人ではないはずだ。

立ち話的関わりは,生徒指導の名のもとに随所に見られ,生徒の反応や学校文化に少なからず影を落としている。腰を据え,膝を突合せた 1回の話し合いを持っていれば,対話が成り立つ本来の面談になっていたであろう。当人の語りを通して,万引きが学校側の事実誤認であったことに気づく機会があったかも知れない。

生徒の無念を思うと,教師がそれを惜しんだために失われたものが余りにも大きいと言わざるを得ない。

(グリーフカウンセラー 精神科医)
2016・3・29


◆2016年3月13日第92回理事会開催◆


《審議事項》


第1号議案

2016年度事業計画に関する事項

来年度事業計画案について理事長から原案が示され,現在行っている事業については, 継続しながら一年をかけて見直し,2017年度へ向けた具体的な案を練っていくことで了承され,認定カウンセラー拡大会議で内容を説明をし,意見を求めることで了承された。

第2号議案

グループミーティング主担当配信メール[gwk-soudan:02097] (2016年3 月8日 7:39配信)(2016年度の予定について)の取り扱いに関する事項

下半期は「未定」であることとして,認定カウンセラー拡大会議の場で具体的に説明することで 理事会の承認を得た。

第3号議案

第91回理事会議事録に関する事項

第41回認定カウンセラー会議において,第91回理事会議事録の加筆修正の必要性について指摘があり 修正することで理事会の承認を得た。

第4号議案

広報に関する事項

担当理事から,ホームページ等の見直しについて,経過の報告があり,HP上に掲載されている ニュースレターについて,検索エンジンにかかりやすくするためPDFに加えてHTML版も掲載する方向で あること,ブログについては作成中であることが報告され了承された。

第5号議案

香川県共同募金会「平成28年度募金(29年度実施事業)広域助成事業の募集」に関する事項

平成28年度は啓発事業「公開セミナー」と対面型支援事業「グループミーティング」で助成決定を 受けている。平成29年度について,追加で第2のグループミーティング,冊子増刷について申請を 検討したいが,予算の上限や対象事業など詳細について理事長から共同募金会事務局に確認を行った上で,来月申請する予定とすることで了承を得た。

第6号議案

平成28年度地域自殺対策強化交付金申請に関する事項

3月22日に実績報告をする際に平成28年度の申請について変更が可能かどうかを確認を行うことで 了承された。

第7号議案

報償費の支払いに関する事項

報償費に関する支払い規程に基づき予算内で支払うことが理事会で承認を得た。