2008(平成20)年5月 グリーフワーク・かがわニュースレター第50号 PDF版はここをクリックしてください(211KB)

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2008(平成20)年5月26日 グリーフワーク・かがわ広報部 
第50号記念

「グリーフワークとは?」という原点に立ち返って
グリーフワーク・かがわ代表  杉山洋子     
 あるとき、身近な人を亡くした方たちのグループミーティングを終えて、外にでてみました。あぁ、こんなところに小路があったのかと初めて気づいて、少し歩くと、道端にちいさな花が咲いていました。ちいさいながらも凛とした立ち姿でした。何かを引き受けることで、見慣れていたはずの風景から新しい何かが浮き上がって見えてくることがあります。グリーフワークとは、悲嘆からの回復だけでなく、喪失という体験を引き受けることによる、心の世界での再発見であり創造へと続く道なのかもしれない、そんなことを連想した一場面でした。
 このたびニュースレター第50号を発行することができました。歴代の広報担当が中心となって、こつこつと、第1号から積み重ねてまいりました。グリーフワーク・かがわの活動のあゆみそのものでもあります。シンポジウムや、研修会なども企画・運営するなかで、いつも必ず「グリーフワークとは?」という原点にもどり、再発見がありました。議論したことをニュースレターの文字としてあらためて読んでみると、新たな課題が見つかることも少なくありません。これからも、グリーフワークという領域で地域に貢献できるよう活動をすすめてまいりますが、このニュースレターの編集、発行も、工夫を重ねていきたいと考えております。
 本号では、会員の投稿による特集を組みました。お読みいただいた方々にとって、「グリーフワークとは?」という原点にもどるみちしるべになれば幸いです。

特集グリーフワーク・かがわの今
 
  グリーフワーク・かがわの会員になって
グリーフワーク・かがわ理事 本丸真実     
 セラピストを目指す者として、グリーフワークに関する知識と技術の修得は大切だと思ったこと、以前より対象喪失という領域に興味があったことが動機で、グリーフワーク・かがわの会員となりました。毎月行われているグループミーティングは、参加者本人が癒され、また、他の参加者を癒すことも出来る、とても有効なセルプヘルプの場であると思います。大切な人や動物との死別のほか、自身の加齢、家族員の成長、環境の変化、自然災害による被害など、生きていれば日々なんらかの喪失体験があると思います。その喪失に対する自身の感情をきちんと受け入れ、自分なりのやり方で“喪の作業”をすすめていくことによって、失ったものの代わりに何がしか得るものがあるのだということを、少しでも多くの方々に伝えていきたいです。また、丁寧に、着実に前進しているグリーフワーク・かがわの今後の発展に寄与すべく、少しでもお役にたつことが出来れば幸いです。
 
    ニュースレター50号によせて
グリーフワーク・かがわ理事 古澤光子     
 早いもので2004年3月に“グリーフワーク・かがわ”が発足し4年半が経ちました。
 その年の7月に「グリーフワーク・かがわ」設立記念講演とシンポジュウム「病と家族−愛する人との別れ−」が開催されました。
 皆で役割分担をし、何回も皆で集まりあい、ようやくその日を迎えたんですが、果たして何人の人が来てくれるのか不安と期待とが入り混じった気持ちだったですが会場がいっぱいの人で埋まったときホッとしたのを懐かしく想い出します。
 定例会、グループミーティング、公開学習会-----それぞれにいろいろ思い出があります。
 グループミーティングに始めて来られた人が何回か来られるうちにだんだんお元気になっていかれる姿を見るとき、ホッとすると同時に私たちも参加されている人たちから元気を貰っているなぁと感じ嬉しくなります。
 又、そのようにして少しずつでもお元気になられた人たちが、新しく来られた人たちを温かく見守りその人たちを支援して下さるのを目のあたりにして、このグループミーティングの集まりがみんなの協力で上手に循環して行けるんだと感謝の気持ちでいっぱいです。
 
    うつの時代の心の営み
グリーフワーク・かがわ理事  花岡正憲     
 ひきこもりの息子の部屋をこっそりのぞきたくなる母親,仕事を辞めて郷里へ戻ったが家族と食事がとれない長女,娘が結婚して家を出てから夫と会話ができなくなった妻,喪失は肉親との死別だけでなく,人それぞれの事情による喪失があり,それぞれの悲嘆の姿がある。
 いつの時代も,喪失の事実を受け容れ,悲嘆に伴う感情と向き合い,新たな環境の中で生き続ける過程,すなわちグリーフワークは,人が避けて通れない心の営みである。グリーフワークという心の営みを知り,一セラピストとして多くのクライエントとの出会いを経験して,今では,その営みの大切さを確信できるようになっている。
 少子化や景気の低迷,飢餓や貧困,エネルギー問題や地球温暖化など,今日,社会的次元で,そして地球的規模で大量に発生している喪失も,私たち個人レベルの心の問題と無縁ではない。さらに,一人ひとりの喪失と悲嘆のプロセスを越えたところに,社会の再生の姿があるとも言えよう。
 「うつの時代」のセラピストに求められるのは,薬物治療や特殊な心理的治療によって,気分を引き上げることではなく,クライエントが,自分に合ったペースと方法で,喪失と悲嘆を受け容れて行く過程をともに歩むことだと思っている。
  
グリーフワーク・かがわ第5回総会が開催されました
日 時 : 2008年5月18日(日) 13:00〜15:00
場 所 : 高松市男女共同参画センター
報 告 : 平成19年度事業報告
議 題 : 1号議案(平成19年度収支決算)承認
       2号議案(平成20年度事業計画案)可決
       3号議案(平成20年度収支予算案) 可決
       4号議案 会則の改訂
       役員改選
   
 会員のみなさまへ
2008年度会費の納入をお願いします。
正会員 3,000円
賛助会員 一口1,000円
郵便局で振り込んでください。
口座番号 01630−7−74121
振り込み先 グリーフワーク・かがわ
 
来月の予定   平成20年6月8日(日)10:00〜11:30 グループミーティング
           平成20年6月8日(日)13:30〜15:00 理事会
           会場:いずれも高松市男女共同参画センター
 


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